スカパーJSAT株式会社様/データネットワークセンター様

「オーダー受付・STB管理システム」

TERASOLUNA Frameworkを活用してコストを抑え、戦略的な情報管理システムを構築

スカパーJSAT様が2008年10月に開始したハイビジョン放送「スカパー!HD」。「スカパー!HD」では視聴に必要なチューナーのレンタルサービスを提供している。オーダー受付・STB管理システムはチューナーの個体管理、工事管理を行なうシステムである。

開発期間 8カ月
開発規模 約40画面

インタビュー

  • 株式会社データネットワークセンター 技術部長 河野啓三氏
  • 株式会社データネットワークセンター 技術部 主任 原田賢太郎氏

※取材日:2009年6月 組織名称、役職は取材当時のもの

システム導入背景

ハイビジョン放送開始に伴い、システムの再構築が不可欠に

日本最大の有料多チャンネル放送「スカパー!」を提供されている、スカパーJSAT様。 同社では、「スカパー!」を通じて個人の価値観、嗜好の多様化に応える新しいテレビ視聴文化を提案してきた。 現在同社では豊富なチャンネル数だけでなく、ハイビジョンチャンネルの拡充も精力的に進めている。その「スカパー!」 を支える顧客管理業務をオペレーションとシステムの両面から一手に引き受けているのが、データネットワークセンター様である。

ハイビジョン放送を視聴できるサービス「スカパー!HD」は2008年10月からスタート。 このサービススタートを前に検討されたのが「オーダー受付・STB管理システム」の構築だ。 2005年に「スカパー!」のSTB(Set Top Box:デジタル放送受信用のチューナー)レンタルサービスを開始した際にも同様の業務を サポートするシステムは存在していた。当時のシステムは、早期運用立上げを目的にパッケージをベースに提供されていたが、 運用立上げ後の業務プロセスの煩雑化やハイビジョン放送に伴うSTB資産管理の厳格化といった新たなビジネス要求への対応が難しい状況にあった。 そこで、ハイビジョンサービスの本格化を前にシステム更改に踏み切ることとなった。

このシステム更改にあたり、データネットワークセンター様が求めたものは、ハイビジョンサービスを本格化させる上でのビジネス要求や 業務プロセスにフィットしたシステムを構築することもさることながら、本システムだけを考慮するのではなく、 自社が保有する顧客管理システムを中心とした基幹システム群の将来像を見据えた構築手法を確立することであった。 そこにはビジネス要求に迅速に対応でき、かつコストパフォーマンスも高いシステム開発を目指さなければならないという大きなテーマがあった。

提案のポイント

そこでNTTデータが本システム開発のポイントとして置いたのが、以下の3点である。

  • フレームワークを活用した開発手法
  • オフショアでのプログラム開発
  • SOA思想に基づくアプリケーションの構築

(1)フレームワークを活用した開発手法

市販のパッケージソフトはフィットしない業務を如何に効率的に開発するかを考え、 NTTデータが開発し既にオープンソースとして世に提供されているTERASOLUNAフレームワークの採用を提案。 フレームワークは、データベースへのアクセスや排他制御等の汎用的な機能をまとめて提供し、アプリケーションの土台として機能する。 このフレームワークを今回のシステムだけでなく、データネットワークセンター様が保有する他のシステムへも展開していく過程において、 スカパーJSAT様やデータネットワークセンター様のビジネスにフィットしたフレームワークに育てていくシナリオを訴えた。

(2)オフショアでのプログラム開発

高いコストパフォーマンスを追求するため、北京NTTデータとタイアップ。プログラム製造を中心とした工程をオフショアにて進めることとした。 数あるオフショア拠点の中で中国を選んだ理由は、中国にTERASOLUNAの有識者が多数いたためだ。 NTTデータでは、中国各地でTERASOLUNA研修セミナや、TERASOLUNAの技術者を認定する試験を開催しており、 その中でも北京NTTデータには2008年度末の段階で120名の技術者が在籍している。その経験値を買ってのタイアップであった。

(3)SOA思想に基づくアプリケーションの構築

SOA思想に基づくアプリケーションの構築
技術部長
河野啓三氏

最後のポイントが、SOA思想に基づくアプリケーションの構築だ。SOAとは、ビジネスプロセスの処理単位に合わせて整理・ 構築されたソフトウェアを“サービス”として提供し、これらを相互に連携させることにより、システムを構築する設計思想を指す。 今回構築したシステムのみならず、将来システムを見据え、ビジネス要求への迅速な対応を実現させていくことを目指し、 業務コンポーネントをサービス化し、SOA基盤を通じて連携させる疎結合型のアーキテクチャを志向した。

提案当時の評価について、河野氏は「今回構築したシステムに対する期待もさることながら、NTTデータが提案した SOA基盤やフレームワークを活用したシステム開発手法は、当社システム全体の将来像を見据えたときにも活用していける手法であると思いました。」 と語る。

適用プロダクト

スカパーJSAT株式会社様にてご採用頂いたプロダクトは、高い信頼性を兼ね備えたサーバフレームワークとシステムの品質向上・開発の効率化を促進するバッチフレームワーク、そしてステムのライフサイクルをすべてカバーする標準手順である。

  • TERASOLUNA 標準手順
  • TERASOLUNA Server Framework for Java
  • Batch Framework for Java
システム概要図

導入効果

フレームワークの導入が、オフショアを成功に導く

フレームワークの導入が、オフショアを成功に導く
技術部 主任
原田賢太郎氏

TERASOLUNAフレームワークは、当初、スクラッチ開発並みの開発柔軟性と共通機能部分の開発コスト削減を目的として導入したが、 結果的には、オフショア開発を成功させることにおいても有用であった。フレームワークを活用する前提でプログラム開発を行う ことにより開発の「お作法」を標準化することができる。これにより、オフショア開発には付き纏うコミュニケーションの 問題や文化の違い等による品質面での不安といった国内での開発ではあまり考えなくともよい不安要素を払拭することができた。
実際、原田氏は、本システムの開発中に、中国まで行って現地を視察している。「オフショアは当社では経験が無かったので、 仕様通りに開発が進んでいるのか、品質には問題は無いか、セキュリティは大丈夫か等不安な要素は多々ありました。しかし、 現地で工程の進捗具合やプログラムの品質を確認し、オフショア+フレームワークを活用した開発によりコストパフォーマンスと 安定品質を確保できることを確認できました。今後も同様の開発手法を前向きに検討していきたいと考えています。」(原田氏) 最後に河野氏は、今後の展望について、以下のように語っている。

「当初はオフショア開発を行うと聞いて不安な点も多々あったが、結果的には高い品質のシステムを提供してくれている。 フレームワークを活用し、SOA思想に基づいたサービス化された業務コンポーネントをオフショアも有効に活用しながら開発し 、SOA基盤を通じて連携させる、といった開発方法の効果は、今後適用するシステムを増やしていく過程の中ではっきりと見えてくると思う。」(河野氏)

有料放送業界のリーディングカンパニーであるスカパーJSAT様、 その顧客管理業務を支えるデータネットワークセンター様。ハイビジョン放送の更なる進展、2010年のワールドカップ全試合生放送、 更には2011年の新BS放送開始と大きなビジネスチャンスが広がっている。視聴者へのより良いサービス提供に向け、システムも更なる進化を遂げていく。

お客様プロフィール
社名 スカパーJSAT株式会社
所在地 [本社]東京都港区赤坂1-14-14
創立 1994年11月10日
資本金 50,083百万円(2012年6月22日現在)
事業概要 衛星事業および有料多チャンネル事業
URL
お客様プロフィール
社名 株式会社データネットワークセンター
所在地 [東京事務所] 東京都渋谷区
[横浜事業所] 神奈川県横浜市保土ヶ谷区
創立 2000年8月
資本金 1億円(2007年12月31日現在)
事業概要 多チャンネル放送サービス「スカパー!」の顧客管理業務
URL 株式会社データネットワークセンター(現:株式会社カスタマーリレーションズ)
http://www.spcc-sp.com/